JPPD

2024/03/25 最終更新

J-PlatPat Downloader (JPPD) 
- Google Chrome / MS-Edge 対応版-

1.特長

特許公報番号を予め入力しておくと、独立行政法人 工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にアクセスし、指定された特許公報のテキストをダウンロードするツールです。Ver 2.00からは、各出願の審査や審判などの記録、登録情報や分割出願情報などの経過情報のダウンロードも可能となりました。また、PDF版の公報をGoogle Patentsからダウンロードすることもできるようになりました。

Google Patentsの場合には、公報番号から、その公報が表示されるページのURLが簡単に推定できるので、そのURLにアクセスすれば、一発で情報をダウンロードするできましたが、J-PlatPatの場合、検索ボックス内に公報番号を入力し、検索ボタンを押した後、表示される検索結果一覧表から所望の公報のリンクをクリックすることで、ようやく公報内容が折り畳まれた掲載されたページに飛ぶので、さらにそのページで「要約」「請求の範囲」「詳細な説明」をそれぞれ展開することで、初めて公報内容をダウンロード可能となります。

これを何とか自動的に処理することで、まとめて公報のテキストダウンロードが可能なツールを作れないかと、色々と試行錯誤して、何とか出来上がったのが、このJPDDです。今まで、ここで公開してきた PKM GPD と同様に、Microsoft Excel(エクセル)のマクロ(VBA)で作成しました。

JPDDは、J-PlatPatにアクセスし、公報番号を入力したり、検索ボタンなどのリンクをクリックする操作を行うのに、Seleiumbasicというツールを使用し、ブラウザとしてGoogle Chromeを操作しています(Ver 4.00以降)(Ver 4.70以降は、ブラウザとしてMicrosoft Edgeも使用可能)。そのため、本ツールの使用には、Google Chrome(またはMicrosoft Edge)とSeleniumbasicがインストールされている必要があります。

Ver 2.00からは、テキスト公報以外に、J-PlatPatの文献表示画面にて「経過情報」ボタンをクリックすると出てくる経過情報照会画面の、「経過記録」「出願情報」「登録情報」「審判情報」「分割出願情報」といった各タブの表示内容をダウンロードする他、経過記録タブにある審査記録、審判記録、PCT国際出願記録にてリンクされている各種書類(拒絶理由通知書、意見書、査定、審決などなど)、いわゆる包袋書類一式をまとめて全部ダウンロードすることが可能となりました。ダウンロードする書類の数が多くなると、当然のことながら、処理に要する時間が増大しますが、処理が終わるのを気長にお待ちください。

また、PDF公報についても、Google Patentsからダウンロードすることが可能です。Google Patentsには、現時点で、2004年以降の公開公報、特許3539101以降の特許公報が収録されているようです。また最新の公報については、Google Patentsに収録されるまでのタイムラグが数週間程度あるようですので、それまでダウンロードできないことについてはご了承ください。なお、Ver 4.70からは、Google PatentsでPDF公報が入手できなかった場合、Espacenetから入手することが可能になりました。今までPDF公報が入手できなかった古い公報や新しい公報でもEspacenetからは入手可能なケースが多いようですが、Espacenetの場合、1日にダウンロードできるPDF公報の数には制限があるようで、あまり多くの公報をダウンロードしようとするとエラーが出ますのでご注意ください。

Ver 2.10からは、図面もダウンロードするようにしました。これは、ユーザの方からご要望があり、それに対応したものです。他にもご要望があれば、ご連絡ください。可能であれば対応したいと思います。

Ver.3.00からは、J-PlatPatでは分割表示される大きな公報について、これを全部ダウンロードして1つのファイルにまとめるようにしました。また、公報によっては表示されることがある、手続補正書、国際調査報告、外国語明細書、配列表もダウンロードして表示するようになりました。

Ver.4.00からは、データのダウンロードのために操作するブラウザを従来のInternet Explorer(IE)から、Google Chromeに変更しました。

Ver.4.20からは、ダウンロードした公報の抄録一覧表を作成する機能を追加しました。発明の名称、公報番号、出願人、発明者、IPC、要約、代表図などを一覧表形式でブラウザ表示します(出力例は下の図を参照)。

Ver.4.30からは、ダウンロードした公報のデータ一覧をエクセルのワークブックにして保存する機能を追加しました。エクセルですので、項目を削除や移動することも自由にできますし、公報一覧を並べ替えしたり、フィルタ処理したりすることも可能です。また、テキスト公報、PDF公報、経過情報、J-PlatPatの固定URLにもリンクが張られているので(PDF公報と経過情報はダウンロードされている場合のみ)、クリック一発でこれらの情報にアクセス可能です。

さらに、経過情報をダウンロードした場合には、その出願の現在の状況(権利維持、権利抹消、拒絶査定、みなし取り下げ、査定無しなど)を表示すると共に、登録されている場合には登録番号を表示するようにしましたので、かなり便利になったと思います。

ExcelのVBAを使用して、どうやってJ-PlatPatから所望のテキスト公報をダウンロードするのか、具体的な方法について、ここのブログにまとめたので、興味のある方はご覧ください。

2.使用方法

エクセルの「About」シートに使用方法を記載しています。最初に、Excelマクロからブラウザ(Google Chrome または Microsoft Edge)を操作するため、Seleniumbasicのインストールなどの準備作業がいくつか必要となりますので、ご確認の上、設定をしてくだい。あとは、ダウンロードする場所、ファイル名、および使用するブラウザを指定し、ダウンロードしたい書類の種類を指定し、公報番号を入力したら「スタートボタン」を押すだけです。

3.入出力画面例

(1)エクセルでJPPDを読み込んだ状態

(2)公報番号を入力し、Startボタンをクリックしてダウンロードした状態

(3)Browseボタンを押すと、所定のブラウザでインデックス画面が開く

  

(4)公報番号をクリックすると、テキスト公報画面が表示される

(5)インデックス画面の「抄録一覧表」をクリックすると、抄録一覧表が表示される。経過情報をダウンロードしている場合には、各公報の状況(権利存続、権利満了、拒絶査定、みなし取り下げなど)、および特許登録されていればその公報番号を表示する。

(6)インデックス画面の「エクセル一覧表」をクリックすると、エクセル一覧表が表示される。エクセルワークシートなので、並べ替えやフィルタ処理も可能であり、自由に編集、移動、削除などが可能。

4.無料サンプル版のダウンロード

原理的には、一度に入力できる公報の数に特に制限はないのですが、多量のロボットアクセスなどは J-PlatPat側で禁じているようなので、一度にあまり多くの公報を入力し、まとめてダウンロードするのは好ましくないかもしれません。

今回公開するのは一度にダウンロードできる公報の数を50件に制限した無料のお試し版です。制限解除版のご希望や、その他ご要望等がございましたら、メール等でご相談ください。

「JPPD Ver 5.90無料お試し版」のダウンロードはこちら

5.更新履歴

2020/05/25 Ver 1.00 初期版公開
2020/07/01 Ver 2.00 経過情報や審査関係書類等、およびPDF公報が入手可能
2020/10/13 Ver 2.10 経過情報ダウンロードエラー修正、図をダウンロード
2020/10/27 Ver 2.20 サーバー側のエラーへの処理追加
2021/02/03 Ver 2.30 J-PlatPat側の変更(デフォルトでの要約表示)に対応
2021/02/09 Ver 2.40 公報番号中の全角英数字、半角英小文字を半角大文字に変換
2021/03/15 Ver 2.45 ネットワーク環境による接続不具合に(一部)対応
2021/03/25 Ver 2.50 PDFダウンロード処理を修正(http://~ への再トライ)
2021/04/02 Ver 2.60 PDFダウンロード処理を修正(アクセス方法の多様化)
2021/05/06 Ver 2.70 経過情報等の取得エラーが稀に発生する事象に対応
2021/05/11 Ver 2.80 ネットワーク接続手続きを見直し
2021/06/14 Ver 2.90 分割表示される大きな公報も全文ダウンロード
2021/06/19 Ver 3.00 サーチレポート、外国語明細書、配列表もダウンロード
2021/08/23 Ver 3.10 J-PlatPatの仕様変更(?)に伴う不具合に対応
2021/10/28 Ver 3.20 jpeg形式の外国語明細、一部のシステムエラーに対応
2021/12/12 Ver 3.30 分割表示される公報の一部での取得エラーに対応
2022/03/31 Ver 4.00 J-PlatPatへのアクセスにGoogle Chromeを使用
2022/06/10 Ver 4.10 Seleniumbasicの保存場所の手動指定他
2022/06/12 Ver 4.20 特許抄録一覧表作成機能を追加
2022/07/20 Ver 4.30 抄録一覧表の機能充実、エクセル一覧表作成機能を追加
2022/08/22 Ver 4.40 稀なエラーに対応、WO公報の取得は再公表特許を優先
2022/09/26 Ver 4.50 J-PlatPatのメンテナンスエラー対応
2022/10/08 Ver 4.60 公報番号処理エラー対応、抄録一覧データ取得処理改善
2023/03/14 Ver 4.70 MS Edgeに対応、PDF公報をEspacenetから入手可能に
2023/03/16 Ver 4.80 一部の公報での出願人/特許権者名の取得ミスを修正
2023/04/21 Ver 4.90 US公報に対応、一部WO公報での取得エラーに対応
2023/05/08 Ver 5.00 OPD情報の取得、一部公報でのデータ取得ミスに対応
2023/07/25 Ver 5.10 chromedriver の自動更新処理のアップデート
2023/10/10 Ver 5.20 ステータス機能に対応、EspacenetでのPDF取得処理修正他
2023/10/16 Ver 5.30 J-PlatPatの複数ページ分割公報の表示方法変更に対応
2023/10/23 Ver 5.40 複数ページ分割表示公報の表示バグ修正
2023/11/10 Ver 5.50 chromedriver の自動更新処理のバグ修正
2024/02/19 Ver 5.60 OPD取得しない場合に、次公報の処理に移れないバグ修正
2024/02/26 Ver 5.70 J-PlatPatの固定URL形式変更対応、途中終了時再開可能に
2024/03/20 Ver 5.80 chromedriverのダウンロードサイトURL変更に対応
2024/03/25 Ver 5.90 経過情報照会ページの一部表示変更に対応

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JPPD」への12件のフィードバック

  1. JPPD-制限解除版を希望します。パスワードの送信をお願いします。
    また、操作説明資料があれば、メールに添付ください。
    なお、小生のyoutubeチャンネルは、「パテントマップ」及び、 
    「みいこ特許」です。よろしくお願いいたします。

  2. JPPDにご興味を持っていただきありがとうございます。制限解除版について、別途メールいたします。

  3. お世話になっております。
    US-やEP-で始まる代表文献番号でのPDF取得は対応可能でしょうか?

    1. JPPDは、J-PlatPatから主としてテキスト版の特許公報および経過情報等を取得するツールです。USやEPのPDF版公報をダウンロードするツールとして、GPDというものを用意していますので、そちらを試していただければと思います。GPDのURLは以下の通りです。
      https://pe-sawaki.com/tool/gpd

      よろしくお願いします。

    2. GPDの方でダウンロード出来ました。ありがとうございます。

  4. お世話になります。
    先月までJPPD ver.4.60無料お試し版を定期的に利用させていただいておりました。
    ところが、本日、いつものように公報番号を入力して、Startをクリックしたところ、ダウンロード番号が表示された後に、以下のエラーメッセージが表示されて止まりました。
    実行時エラー’0′:
    KeyNotFoundError
    Dictionary key not found: status

    Ver.5.40をダウンロードして試しましたが、同様です。
    恐れ入りますが、原因と対策をご教示いただけますと幸いです。

    1. JPPDをご使用いただきありがとうございます。この度はご不便をおかけしているようで申し訳ありません。

      こちらで、種々テストをしてみましたが、私の環境下では、ご指摘のエラーを再現することができず、正常に公報をダウンロードできています。お手数ですが、もう少し詳細に状況をお知らせいただけると助かります。

      使用環境、エラー発生時のエクセル画面左下の進捗状況表示部にはどのように表示されているか(webdriver更新中、Download公報など)など。 この場では支障があるでしょうから、私宛に直接メールでお送りいただけるとよろしいかと思います。(e-mail: cycle.sawaki@nifty.com

    2. 別の環境でテストしたところ、ご指摘のエラーが再現しました。原因は、chromedriverの更新処理がうまくいっていないことにありそうです。きちんとした対策をとる予定ですが、とりあえずの応急処置として以下の手順をお試しください。

      お手数ですが、ご使用の環境において、SeleniumBasicフォルダにある”chromedriver.exe”を手動で削除いただいた上でJPPDを通常通りに操作すると、適切なchromedriver.exeをダウンロードして、無事にJPPDも動作するようになると思います。

      それでもうまく動かない場合、お手数ですが手動でchromedriver.exeをインストール願います。(https://googlechromelabs.github.io/chrome-for-testing/ にアクセスし、Stableバージョンをダウンロードして、SeleniumBasicフォルダに上書き保存する)

      よろしくお願いします。

      1. ありがとうございます。
        ご教示いただいたように、chromedriver.exeを削除したうえで実行したところ、うまく行きました。
        こちらのブログを参考に自分でExcel VBAで作成した別のツールでの処理に不具合があったのかもしれません。
        いずれにせよ、大変助かりました。ひきつづき利用させていただきます。
        ありがとうございました。

        1. 今回、Chromeブラウザのバージョンが119で、ドライバのバージョンが118という組合せにおいて、従来とは異なる挙動を示したために、ドライバー自動更新処理がうまく働かなかったことが原因のようです(従来は、バージョンが異なるとVBAでブラウザを起動する際にエラーが発生していたのに対し、今回はブラウザが普通に立ち上がるものの、テキスト入力やボタンのクリックなどをしようとしたときに初めてエラーが発生する)。

          エラーの発生をお知らせいただきありがとうございました。この状況に対応したアップデート版(JPPD Ver.5.50)を公開しました。今後ともよろしくお願いいたします。

  5. いつもお世話になっております。
    JPPD-制限解除版を希望します。
    よろしくお願いいたします。

    1. JPPDにご興味を持っていただきありがとうございます。制限解除版について、別途メールいたします。

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