JPPL

2024/09/02 最終更新

J-PlatPat Linker (JPPL) 
-J-PlatPatへのアクセス無し -

1.特長

独立行政法人 工業所有権情報・研修館が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にて、複数の公報の固定URLを連続取得するツールです。

J-PlatPatでは、各公報にユニークなURL(固定URL)を割り当てているので、この固定URLがわかれば、後日その公報を見直すのが便利になったり、他者との情報の共有が容易になったりと、非常に便利なのですが、そのJ-PlatPatの固定URLは、意味不明な長い文字列を含むために推測が困難で、1件1件当該公報にアクセスして取得する必要がありましたが、2024年2月の機能改善により、この無意味な文字列が消えたため、公報番号がわかれば固定URLを推定可能となりました。公報種別と公報番号から固定URLを推定して表示するものです。たぶん大丈夫だと思いますが、あくまでも推定ですので、間違いがあるかもしれませんのであしからず。

このようなツールにどの程度のニーズがあるのかわかりませんが、某所では少し話題になったりしていたようなので、もしかしたら、誰かのお役に立てるのかもしれません。

現時点では、J-PlatPatの「特許・実用新案番号照会/OPD」のページでアクセス可能な文献の大半である、日本(公開、公表、再表、登録、公告、出願、一部の実用新案)、アメリカ(公開、登録)、EPO(公開、登録)、WIPO(国際公開)、中国(公開、登録)、韓国(公開、登録)などに対応しています。(これ以外についても、公報番号の指定形式が明確であれば対応可能です。)

現時点で固定URLの形式に関する正式な説明はありませんが、固定URLは、
 ”https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/α/β/γ/ja“という形式で表され
   αは、特許および実用新案、意匠、商標の区別
   βは、公報番号
   γは、公報種別であり、
 α:特許・実用新案は”PU”、意匠は”DE”、商標は”TR”
 β:出願番号や公開番号などは”JP-yyyy-abcdef”、登録番号は”JP-abcdefg”
 γ:特許出願は”10″、特許公開は”11″、再表は”19″、
   特許公告は”12″、特許登録は”15″
   実案出願は”20″、実案公開は”21″、実案公告は”22″、
   実全は”23″、実案登録は”25″
   意匠出願は”30″、意匠登録は”35″
   商標出願は”40″、商標登録は”45″
   外国公報は”50″
などとなっているようです。その他、海外公報も同様のルールが適用されているようです。

<例>
 ① 特願2021-012345
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2021-012345/10/ja
 ② 特開2023-123456
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-123456/11/ja
 ③ 特許6789012
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-6789012/15/ja
 ④ 再表2018-012345
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2018-012345/19/ja
 ⑤ 実登3210987
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-3210987/25/ja
 ⑥ WO2022/030405
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/WO-A-2022-030405/50/ja

もう少し詳細にルールをまとめたものをPDF資料としました。「固定URLルール(推定)」のダウンロードはこちら

なお、2023年の再公表特許の廃止に伴い、国内移行された日本語PCT出願は、WO公報しか発行されなくなりましたが、この国内移行されたPCT出願の固定URLについては注意が必要となります。

国内移行されたPCT出願について、J-PlatPatの「特許・実用新案番号照会/OPD」のページにて、「発行国・地域/発行機関」で「WIPO(WO)」を選択し、「番号種別」で「国際公開番号(A)」を選び、「番号」欄にWO公開番号を入力し、「照会」ボタンをクリックすれば、確かにWO公開公報へのリンクが表示され、「URL」ボタンをクリックすることで、このWO公報への固定URLが表示されますが、URLの形式としては上で示したルール通り、外国公報(γ=50)として取り扱われることになり、経過情報へのリンクも表示されませんし、もしもこの公報が日本で特許登録されたとしても、その特許番号も表示されません。

しかし、「特許・実用新案番号照会/OPD」のページにて、「発行国・地域/発行機関」で「日本(JP)」を選択し、「番号種別」で「国際公開番号(日本)」を選び、「番号」欄にWO公開番号を入力し、「照会」ボタンをクリックすると、先ほどとは異なり、経過情報や特許登録公報へのリンクも表示され、固定URLは、日本の出願番号に基づいたURL(上の①の形式、γ=10)となります。

例として、WO2022/004001公報について、WO公開番号に基づくURLと、日本出願番号に基づくURLの2種類を示します。
 WO公開
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/WO-A-2022-004001/50/ja
 日本出願
  https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-533028/10/ja

という訳で、国内移行された日本語PCT出願については、日本出願番号がわかっていないと国内移行された公報の固定URLは推定することができないことに注意が必要となります。

2.本ツールの使用方法

エクセルの「About」シートに使用方法を記載しています。基本的には、公報番号を入力して「スタートボタン」を押すだけです。

3.無料サンプル版のダウンロード

J-PlatPatの2024年2月の機能改善により、従来、固定URL中に無意味な文字列が含まれていたものを、公報番号から固定URLが推定可能な形式へと変更となりました。ただ、様々な公報種類、公報番号と新しい固定URLとの関係がやや複雑なため、公報番号から固定URLを求めるためには、if文等の場合分けが必要となるため、Excel等で公報番号から固定URLへのリンクを貼ろうとすると、ちょっと苦労するかと思います。Ver 2.50以降では、公報種別と公報番号から固定URLを推定する部分は、ワークシートの各セルの数式を見たり、コピーしたり、編集したりが可能となっておりますので、皆様のご参考になれば幸いです。(Ver 2.50では、固定URL等をコピーして他のワークシートなどにペーストすると、数式がコピーされてしまうためにうまく再利用できなかったので、Ver 2.60以降ではその点を改善しました。)

「JPPL Ver 2.60」のダウンロードはこちら

WO公報について、国内移行されているかどうかをチェックして、国内移行されているものについては国内出願番号に基づくURLを取得するようにしたバージョンも用意してありますが、これを動かすには SeleniumBasic のインストールが必要となります。ご興味のある方は、メール等でご連絡ください。

4.更新履歴

2021/10/14 Ver 1.00 初期版公開
2021/12/04 Ver 1.10 実用新案の取得時のエラーに対応
2022/03/31 Ver 2.00 J-PlatPatへのアクセスにGoogle Chromeを使用
2023/07/12 Ver 2.10 意匠(意匠登録、意匠出願)に対応、プロキシサーバに対応
2023/08/02 Ver 2.20 chromedriverの自動更新処理のアップデート
2023/11/10 Ver 2.30 chromedriverの自動更新処理のバグ修正
2024/02/26 Ver 2.40 J-PlatPatの固定URL形式変更に対応
2024/02/26 Ver 2.50 J-PlatPatへのアクセス無し、公報種別と公報番号から推定
2024/08/22 Ver 2.60 URLリンクを他のファイルにコピー&ペースト可能に

 

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