天気予報収集を始めた理由
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1.きっかけ
以前から、天気予報の適中率がどの程度かが気になっていたのですが、調べてみると、気象庁が天気予報の精度検証結果のページで、自己評価していました。降水有無の適中率は何と85%以上もあるようです。この数字の算出方法については、検証方法の説明に書かれていますが、要するに、降水の有無についての予報が当たったかどうかだけを計算しているようです。また、最高気温や最低気温の予報精度については、実績値との差を統計的に処理しているようです。
感覚的には、天気予報の適中率が85%もあるとはとても思えないのですが、これは気象庁が定義した精度が体感と一致していないということなのでしょう。まあ、気象庁は自分で出した予報の精度の検証をこうしてきちんとやっているわけですし、時にはアンケート調査で満足度の調査をしたりと、それなりに努力している姿勢は評価できます。
とはいえ、気象庁が発表している精度も、計算結果の数値だけが公表されており、詳細データは公表されていません。そこで、気象庁の定義とは異なる観点から天気予報の精度を自分なりに検証してみたいと思い、過去の天気予報データを探してみたのです。ところが驚いたことに、過去の天気予報データを蓄積して公表しているところは見当たりませんでした。「過去の天気予報」をキーワードに検索しても、ヒットするのはほとんどが「過去の天気」のようです。
他に過去の天気予報データを蓄積しているところがないのなら、仕方がないので自分でやってみようということになりました。天気予報は一日に何度も更新されるので、新しいデータで上書きされる前に、定期的に漏れなく取得しないといけないのが難点ですが、まあ趣味と思って取り組めば、いろいろと勉強にもなるし、蓄積したデータはいろいろと役立つだろうし、まあ、できるところまでやってみようと思い立ち、このようなサイトを立ち上げたのが、2005年のことでした。
2.狙いと今後
あくまでも毎日発表される天気予報のデータを蓄積するのが主目的であって、その精度の検証や解析は気象や統計についての知識のある人がやる方が良いだろうと思って始めました。とはいえ何もないとつまらないので、あくまでも1つの解析事例として、天気予報と実際の天気のトレンド、相関関係、偏差の分布、などについてグラフにしたものも掲載しています。
この10年間、コツコツとデータを収集し、それをアップロードしてきましたが、継続は力なりというか、単なる天気予報データでも数多く集めてみると、色々と語りかけてくるものがあるようです。今回、サイトのリニューアルに合わせて、過去10年分の天気予報データをまとめることで見えてくることを書きだしてみました。いまだかつて誰も知らなかった、多分日本で初めて明らかになったことも沢山あるのではないか、と自負しています。
また、ここに蓄積したデータを有効に使い、天気予報の適中率の検討を始めとして、いろいろな検討をされている方が何人かおられます(⇒ 過去の天気予報データの活用事例 参照)。今後とも、ここに蓄積してきたデータが、専門的な知識を有する方々によって、多くの有意義な検討や研究に役立つことを願っています。
なお、気象庁は降水の有無だけで天気予報の適中率を求めていますが、これだと晴と曇の区別がされないし、一時的に少しだけ降る小雨と、一日中降り続く大雨などが一緒になってしまうので、試しに天候を数値化して、予報と実績を半定量的に取り扱ってみることにしました(⇒ 天候の数値化例 参照)。まあ、いろいろと工夫の余地はあると思いますが、一つの試みとして見ていただければと思います。
本来は、誰もが自由に天気予報の適中率を検証可能となるように、気象庁が自ら、全ての天気予報データを蓄積して公開すべきではないかと思いますが、残念ながら現状はそうではないようです(全国各地の過去の全ての予報を蓄積するとなると量的にも膨大なものになりますから、大変だとは思いますが)。とりあえず、気象庁などが公的にデータ公開を開始するまでは、細々とではありますが、データの蓄積と公開を続けたいと思っています。
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最終更新: 2016/10/23